思い切り太鼓をたたく教室。『子ども太鼓交流広場』。和の音色を操る『伝承しの笛教室』

 

『子ども太鼓交流広場』

『伝承しの笛教室』 村下正幸先生



子ども太鼓交流広場

子ども太鼓交流広場

 

子ども太鼓交流広場

―― 太鼓の音色は、いつ聞いても圧倒されますね。


  村下正幸先生 和楽器(和太鼓・津軽三味線・篠笛など)が作る空気の振動には不思議な力があります。

この力を使って様々な若者の心をより響かせたい。

現在、和太鼓の指導に伺っている小学校に、学校を休みがちな生徒がいます。

でも、その生徒は太鼓の授業の日は必ず出席し、誰よりも太鼓の楽譜をいち早く覚え家でも練習しているそうです。月日を追うごとに変わる生徒の目。この出来事以外にも太鼓を通じて起きる奇跡のような力は、口では表現できないような力を持っています。

私はそんなふうに変わっていく子どもたちがもっと増えればいいのにと思います。

和楽器のもつ力を通じ、子どもたちがこれから歩む人生の上で何かのきっかけになればいいなと考えています。

 ―― 子ども時代に太鼓を体験しておいてほしい理由などありますか?
 

村下正幸先生 私はたまに駅前で篠笛や津軽三味線の路上ライブをします。

すると、演奏を楽しんでいただいたほとんどの人が「篠笛、三味線の生音って初めて聞きました」 「津軽三味線ってこんなに大きな音がするの?」などの感想を語ってくれます。

実は、この方々は、大人。

日本の伝統楽器なのに大人になるまで身近に聞いたことすらない。これほど浸透が薄いのは何故でしょう。

日本の小学校では必ず音楽の授業でリコーダーを習います。

今では当たり前のように感じるこの光景。

しかし、和楽器はどうでしょう?見ることはあっても触れることはなかったり。

逆に考えてみてください。海外の小学生たちが授業で必ず尺八や三味線を練習している姿って想像できるでしょうか?

そんな面白い姿を日本人はやっているのだと思います。

もちろん、五線譜を学ぶということはとても大切なことで、リコーダーはその入門になります。

コストの面でも素材はプラスチックで一人一人が持てるくらい安価にできます。

一方和楽器はとても高価でなかなか数を揃えることができず、それが浸透の妨げの一つの要因とも言えます。

幸いに、ナムのひろばで展開する教室には、日本の伝統楽器に身近に触れることができる!という恵まれた環境があります。

日本の素晴らしい楽器の存在、楽器、音楽の持つ不思議な力を小さな頃に体験しておいて欲しいと願っております。

 

伝承しの笛教室

 

―― 村下先生は、しの笛、和太鼓、三味線と、和楽器をいくつも演奏されてますが、それぞれの楽器で心がけていることもおありだと思います。例えば、しの笛を演奏する時の注意点、魅力などについて教えてください。


 村下正幸先生 しの笛、和太鼓、三味線とありますが、太鼓は打てば鳴ります。

三味線も弦を弾けば音は出ます。

しかし、しの笛だけは 吹いただけで音は出ません!

 

日本の竹に穴を開けただけで、作りは太鼓や三味線より単純です。それ故に奥が深い。

音が出るまでが一つの壁ですが、音さえ出れば吹くことが楽しくなってきます。

深い森の中で鳥たちが綺麗な声でさえずるように、しの笛も高い音や澄んだ音色や、洞窟から風が吹き抜けるような低く太い音が出たり。

自分の呼吸と共に奏でられる音色がとても心地よく、いつも持ち歩きたい楽器になったりします。

ハーモニカのように鞄に忍ばせておいて、旅先や、ハイキングでの山頂、ちょっとした場所で気軽に吹くこともできるので、吹けるようになれば凄く楽しいです。

注意点は、人の顔が一人ひとり違うように、唇の形も十人十色。

演奏中唇の開け方一つ、空気を送る角度ひとつで音色が変わる繊細な楽器ですので、その人にあった吹き方を一人ひとり丁寧に指導し、音のコントロールできるようにしたいと思います。
 

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