洋画家・多納三勢先生による絵画教室です。

 

『多納三勢ABCC絵画教室』 多納三勢先生

多納三勢先生
多納三勢先生の出雲での個展の様子

 

――多納先生の個展が出雲の平田本陣記念館で開かれていました。かなり規模の大きな個展でした。

 

多納三勢先生 出身地です。大阪に出てきてもう50年になりますよ。

今、定期的に国展に出しています。

今年は5月1日から13日まで、東京の国立新美術館で開かれます。今年で87回を迎えました。

その東京の出品作品の3分の1程度が大阪に回って来ます。今年は6月11日から16日で、大阪市立美術館地下展示室です。常時、こうやって作家活動をしながら、絵画教室もしています。

今、4つ教室をしているのですが、そのうちのひとつで勉強されている97歳の女性が昨年、個展を開催されました。読売新聞に掲載されました。

 

多納三勢先生

多納三勢先生の作品例

 

――高齢の方にお教えするには何か秘訣があるのですか?

 

多納三勢先生 私はもともと中学校、高校、養護学級で38年間美術教師をしていました。幼稚園でも教えていました。基本は、一人ずつの才能を伸ばすということです。そこで身に付けた方法ですが、私自身が生徒さんの絵に筆を入れることはありません。

修正箇所があれば口頭で説明します。

 

――少し筆を入れたいとはならないのですか?

 

多納三勢先生 もし私が1カ所でも入れてしまうと、生徒さんはその上に絵具を置けなくなってしまいます。

それは、子供でも大人でも同じです。

私がするのは、その人が自由に描けるようにもっていくことです。

人間性を尊重し、その人の個性を尊重する。ということにつきます。

 

――ABCC教室の意味を教えてください。

 

多納三勢先生 普通はABCです。Cをもう一つつけて、ウルトラをC出してくださいという意味です。

このウルトラCは、その方自身の個展です。

公募展に出品して入選するということを目標にするのではなく、個展開催までが私がお示ししたい道。

達成感がまるで違います。一緒にウルトラCを目指しましょう。

 

生徒さんの新聞記事
読売新聞掲載、多納三勢先生の教室で学ぶ97歳の女性が個展を開いた。

 

『97歳で初個展を開く』 山の内美恵さん 豊中市


 読売新聞2012年11月6日付

 

箕面市のギャラリーで9日から、初めての個展を開く。明るい色遣い、力強いタッチ、対象物と背景とのバランス…。見る人の想像力をかき立てる油彩画約20点を展示する。

97歳。油絵と出合ったのは、30年前、67歳の時。当時住んでいた京都府長岡京市で、近所のカルチャー教室に通い、夢中になった。その後、松山市に転居したが、絵を続けた。12年前から豊中市で長女家族と一緒に暮らすようになり、美術団体「国画会」会員の画家多納三勢さん(73、能勢町)の指導を受ける。

月2回、豊中市の教室でキャンパスに向かう。藍色の花瓶にオレンジ色の大きな花を描いた「一輪の花」、丸みを帯びた鳥の「はぐくむ」。いずれも目の前にある風景や物を基に、想像を働かせながら描いた。

10月に完成した新作「夕日」では、赤やオレンジ色を重ねて建物の輪郭を浮かび上がらせ、街角が染まる様子を表現した。「明るい気持ちにさせてくれる」「飾ると元気になりそう」。教室の仲間に言われ、「とてもうれしい」と笑みを浮かべ、「絵筆の動くままに描いているだけ」と恥じらう。

多納さんは「現実を自分なりに消化し、心の中でイメージを膨らませると、色や形、遠近感の概念から解き放たれ、独自の世界が生まれる。彼女の作品には、その想像力の深さと表現力の高さがある」と評価する。

初個展は、箕面市西小路のギャラリーラグドールで。14日まで。無料。(渡辺彩香)

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